昔話12

 

瓜子姫

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その後の瓜子姫と天邪鬼

 

 

ーあの時、初めて恋に落ちた

アマノジャクに柿の木に吊るされて
苦しくて
もうだめだと思った

冷たいものが、唇にふれ
喉をうるおし

私、生きてる?

目に入ったのは青い空と優しい瞳の青年で

「瓜子姫、大丈夫ですか?」
水を差しだす

胸が熱い

「瓜子姫!」
おばあさんに抱きしめられ

青年の姿が隠れる
「あ・・」
のばした手が

「待て!」
男の声にさえぎられ
むなしく宙を泳ぐ

ドタバタと荒々しい足音

(あの人は・・)
侍の恰好をしていた

ふいに絶望が心に溢れる

初めて恋に落ちた

でもあの人は、これから嫁ぐ殿に従える人
許されるはずもない
愛されるはずもない

「殺してはいけない!」
青年の声


「殿!」
(殿?)

「この子は女の子だ」


ーあれから
嫁入りをして
ひと月が過ぎて

「幸せに暮らしているかしら?」


風が吹き抜けていく部屋
殿の好みで、屋敷は開け放たれている


殿が微笑む
「これから、会いに行きましょうか?」

軽装で二人は里村を歩く

自由が好きな殿は
ひんぱんに屋敷を抜け出し散歩を楽しんでいると言う

あの日も、侍の姿で未来の妻を迎えに来ていた
「大切な人を他人に任せられないからね」

侍が殿だと知った時の
驚きと幸せを
自分は一生忘れないと思う。



アマノジャクサイド

(知らない)
知らないから
ただ黙り込む

他にどうすればいいかわからない

おばあさんが優しくしてくれる
おじいさんも優しくしてくれる

自分は
この温かいものを知らない

記憶の底にある幼いころから
人に憎まれ追われてきた

自分が異形だからだとやがて知った
自分を守るため、恐ろしい姿に身を変えて
憎まれ憎み生きてきた

自分と同じ異形の生まれ
瓜から生まれた少女の噂を聞いて
どうしようもない憎しみが生まれ

なり替わってやろうと思った


あの日殺されそうになった自分は
おじいさんとおばあさんに引き取られることになった

恐ろしい姿はやがて
異形の少女の姿になり
赤い赤い目を
おばあさんたちはきれいだと言ってくれる

憎しまれることしか知らなかった

温かいものを自分は知らない
優しくされたとき
どうすればいいかを
知らない

あふれた温かいものが

いつまでも頬を
流れ落ち

優しい風が吹き抜けていった


お終い

 

 

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