
1月1日(土)元旦
明けましておめでとうございます
ホームページを始めて早、半年たちました。
日記を書き出してもいつも3日と続かなかった私が、半年も続けられたの
は、いつも見に来て下さる方々のおかげ様です
今年からもよろしくお願いします。m(u_u)m
いつもリストラギリギリのだんなさん、自閉症の長女ゆあ、どんどん育っていく1歳3か月の次女みな、猫2匹、それから4月からは、仕事に復帰する予定の私。
みなも保育園に入るし、書くことはつきなさそうです。
いつか、ゆあやみなが大人になって、書いたものを見て、お母さんはこんなことを考えながら育ててくれたんだなって、思ってもらえたらいいな。


1月2日(日)
1年の初めに心静かに初詣・・。
とは、いかない、うちの家族。
お守りを買おうと、ごったごったの人波の中(リストラが危ないだんなさんのと、私の、ゆあのとみなの・・それからひいおばあちゃんの分も買っておこう)
(みなも背負ってるし、早く買ってすいている所へ出よう)
(そうそう火難除けも買っておこう)
(お守りどの色にしよう)
考えることはたくさんあるし、人がうしろからどんどん押してくる。
なのにゆあは、「おばあちゃんって誰のおばあちゃん?」
「ゆあのおばあちゃん」
「どこのおばあちゃん?」
「京都のおばあちゃん! 少し静かにして」(京都にしかいないって)
「え~聞こえない、何~」
「京都のおばあちゃん!!」
「京都のおばあちゃんって、どこのおばあちゃん?」
「(ぷちぷち)後で言うから静かにして!!!」
「ぎゃあああああ!!!お母さん大っ嫌い!!ばか
ばかばか~」
周りの人がいっせいに大注目。すごすごよろよろ、お守りだけはシッカリ買い、人込みを抜けると、だんなさんがのんきに、(去年のお守りを返しに行っていた。)おみくじ見せて~(お守りの前に買っていた)。
気を取り直して、ひとすみで甘酒なんぞのんでいたら、目の前を、昭和風な美しさの着物の親子連れが・・・。
(美人親子だな~)とのんびりながめていたら・・・突然!!!
「ウサギの耳、ゆあもほしい~~~!!!さわらせて~~~!!!」
美人親子の女の子に食ってかかろうとするゆあ。
女の子はウサギの耳のつけ物をしていたのだ。
必死で押さえつけ、抱え、「すいません!!」逃げる。
呆然と立ちすくむ美人親子と、呆然と立ちすくむだんなさんを残し・・。
最近のゆあはいつもと違う場所に出かけるとパニックをおこすことが多い。
よほどゆあにとって世界は刺激に満ち満ちているのだろう。
と・・・いって家に閉じ込めておくわけにもいかないし・・世間様、ごめんなさい、パニックをおこす娘を見かけてもどうか見ないふりをお願いします。m(_ _ )m


1月3日(月)
ゆあが留守番をするというので、みなと2人で公園に。
こないだまでは自分で歩かずに、抱っこでブランコか、砂場で遊ぶぐらいだったみな。
今日は、砂場におろしてもいつものように遊ぼうとせず、他の子供が遊んでいる方をじーっと見ていた・・と、思ったらおもむろにてこてこ。
やったー!!外で歩いた~と思ったら、すべり台の方に。
階段をのっこのっこ上がり始め、嬉しそうにニパーッ。
その様子を見ていた4歳ぐらいの女の子2人が、みなと遊びだした。
抱っこですべり台をしてもらったり、お菓子をもらったり。
3人でひそひそ遊んだり。
ゆあの時はこんなこと1度もなかった。
友達同士で遊ぶ他の子にどんなに憧れただろう。
女の子たちが何人か固まってくすくす笑いあっている中に、ゆあも入りたがって、そばに行くのだけど、仲間に入り方がわからず、ずかずか入り込んでじゃまをするだけ。
たまたま1人で公園に来てる子が、ゆあと遊ぼうとしても、話さない、話しても変なこと・・。
ゆあの赤ちゃんの時は本当に本当に公園へ連れて行くのが憂鬱だった。
今考えたら、別に無理して連れて行かなくてもよかったのになあ。
他の子供やお母さんに気を使って針のむしろでいるくらいなら、ベランダにおもちゃでも広げて、遊んでやるだけでよかったと思う。
それにしてもみなはすごいなあ。
1歳の赤ちゃんなのにもう人の中に入る、コミニケーションをとるということが、自然にいとも簡単にできるのだ。
ゆあが多分一生、苦労するところなのに。
優しくされたらすり寄り、一緒に笑い、動作を真似して。
普通のことが、心がふるえるほど、素晴らしいことだって、ゆあが私におしえてくれる。
ゆあが普通の子だったら、何にも考えず、成長を当たり前のことと思い、日々の中の奇跡を感じないままだったのかもしれない。


1月4日(火)
ふとんでうたた寝していると、突然ゆあの叫び声。
みながハロゲンに筆を差し込んでいたのだ!
強烈なにおいと、煙。
ゆあが叫ばなかったら、一酸化中毒で寝ながら死んでいたかも
1っ歩間違えたら赤ちゃんの火遊びで火事って報道されていた。
油断して居眠りもできやしない。

おまけ
初詣でほしがっていた、ウサギの耳、毎日ぶつぶつ「うさぎ耳・・うさぎ耳」
とつぶやくので、とうとう根負けして、買ってしまった。
ドンキで千円。
おまけ2
うさぎ服で、公園で遊ぶみな。



1月6日(木)
みなは、少し大きめの、ゆあの靴下なら、自分一人ではけるようになった。
自分の靴下は、すぐに脱いでしまうのに、ゆあの靴下は嬉しくてたまらないのか、いつまでもはいてチョコチョコ歩き回っている。
昨日は、ゆあの手袋をはいてご機嫌。
最近はチュバチュバ、キスをしてくれるようになった。
よだれだらけの唇だけど、こんな時、じんわり幸せな気持ちになる。
つらいこと、大変なことも多いけど、そおいうことは忘れていって、幸せなこと、優しい、温かいことだけを心にためていきたい。


1月7日(金)
今日はなんだか静電気のようにピリピリ。
いつもは笑ってすますことが、笑えない。
ゆあのしつこい質問、みなのいたずら、スローな旦那さん、貧乏、日曜日に介護の仕事が入ってるのに、利用者さんと連絡がつかない、すべてにいらいら。
何だか、怒りの色眼鏡をはめたよう。
心と体の、バイオリズムかもしれない。
逆に、むしょうに何もかも悲しい日もある。
新聞を読んでも涙がダーダー。
悲しい記事でいっぱいだ。
動物園で長年親しまれた虎が死亡???
ダーダー
朝いつものように飼育員がドアを開けたら人工の沼に浮いていた!!!
ダダダ~
飼育員が悲しみのあまり涙が止まらず!!!!!
ドダダダダダ~~~
止まらない止まらない。
テレビを見ても、人と話しても、空を見ても、空気中に悲しみが溶け込んでいるのだ。
自分でも心の片隅では、つっこみを入れているのだけど。
イライラ日も悲しみ日も、翌日にはすっきり。
ゆあ、みな、今日はニコリともしないでごめんね。
明日は優しいお母さんに戻るからね。

1月9日(日)
うちの旦那さんは超老け顔。
みなを1人で連れていると、間違いなく「かわいいお孫さんですね」などと声をかけられる。
本人、少年のように、傷つきやすいハートを持っているので、フォローに困ってしまう。
今日も私が久しぶりに、ガイドヘルパーの仕事が入ったので、代わりにみなを連れて、ゆあのスイミング(障害のある子用の)に連れて行ってもらったら、どこかのおじいちゃんに「お孫さん?大変だねえ」と、言われてしまったらしい。
この間は、とうとう、私のお父さんに間違えられてしまった。
私はもともと老け専だからいいやん、となぐさめるのだけど・・・。
老けて見られたくなかったら、白髪を染めるとか、若い恰好をすればいいと思うのだけど。
私の今日の仕事は、利用者さんの(障がい者さん)買い物に付き合って、
一緒にランチを食べるということ。
通所や、通院の仕事以外は、どこかへ遠出したり、食事、映画、カラオケなどのお供が多い。
簡単な仕事のように聞こえるけれど、けっこうすごく神経を使うのだ。
ホステスさんや、デート嬢的な才能がいる。
私は、ふんふん、話を聞くのは得意だけど、盛り上げるのは苦手。
毎回これでいいのかなあと、思ってしまう。
利用者さんの時間を少しでも楽しいものにしてあげられたならいいのだけどなあ。


1月8日(土)
気持ちのいい天気。
さあ、洗濯物をほそうと思ったら、何やらムサイにおいが漂いだす。
ぎゃ~!!!
うんこが洗濯物にっ!!
洗濯機に入れる前に、猫がしていたようで、洗濯物すべてが、うんこで汚染されてしまった。
洗濯機もくさいし・・。
洗濯物、全部を手洗い、念入りに洗いなおしたけど、においがとれない。
とほほ~。
ジニーかチャマ、どちらが犯人か。
どっちの猫も何やら怪しい態度・・・。
「お仕事しなあかんねん」と、ぶつぶつ、つぶやきながら、みなの散らかした所を、せっせっと片付けてまわってくれた。
ずいぶん助かったけど、こんな、すごくいい子の次の日は、大爆発することが多いような。
ともかく昨日、連絡のつかなかった利用者さんとも、無事話ができたので、明日は、旦那さんに見てもらって久しぶりの仕事に行ってきます。
約2年ぶりの仕事です。


1月10日(月)
ゆあはもうずっと、夜遅く、朝遅い。
一緒に早く寝たり、昼間疲れさしたりしたけどだめ。
寝えと、あまりきつく言ってもパニックをおこして長引くし・・。
明日から学校が始まるのに、・・2学期は学校で問題行動の多かったゆあ。
本当に困った娘だ・・ いらいらしながらフッと、ちっちゃな本棚が目に入った。
そういえば、ゆあがこの本棚に乗って、止めがはずれて、滑り落ちたことがあったなあ。
ひ~ひ~泣いて飛びついてきた。
あれはまだ3年前のこと。
まだ私が抱き上げられたころ。
わずか3年でゆあは私と変わらない身長になって、泣いて抱きついてくるなんてこともなくなった。
そう考えるとみょうに寂しい。
いつまでも小さいままいてくれればいいのに。
この胸でスッポリ守れる大きさでいてほしかったなあ。
そうしたら、いつまでも一緒にいられるような幻が浮かぶ。
いつか離れる時が来ても、いつもいつも想い出すんだろうなあ、胸に抱き上げた重さと温かさを。
もう抱き上げられることはできないけど、もっともっとゆあを抱きしめよう。
後悔しないように。


1月12日(水)
イラストを描くのに使っている某ソフト、私の使い方が悪いのか、ひんぱんに不具合を起こす。
今日もみなが目を離したすきに、少しいじった・・と、思ったら、「コマンドがありません」と、謎のメッセージが出て、どうにも起動しなくなってしまった。
ああ・・いじくってもいじくってもわからないわからない。
パソコンにくわしい頭がほしい。
絵日記も途中まで描いてたのに・・。
上の絵は以前に描いて、没にしたものだけど、再利用。
まるで今回のために描いたよう
今日の私のみなが寝てる間の自由時間はこれで終わってしまいました。
いまさっきどうやら使えるようになったようなので、明日は絵日記の続きを描きます。


1月11日(火)
ゆあが今日から学校。
もっとごねるかと思ったけれど、案外あっさり起きてくれる。
あいかわらず、朝はあまり食べてくれなくて、みかん1つだったけど。
ゆあを送った後、みなはのびのびと携帯のおもちゃで遊びだす。
音楽の出るおもちゃは、みなが夢中で好きなのだけど、ゆあが過敏に嫌う。
赤ちゃんの時から、私が歌を口ずさむだけで、「ギョエ~!!」と、泣き叫んでいた。
私は音痴だけどそこまで泣かれるほどひどくはない・・と思う。
だから、ゆあがうちにいる間は、音楽はNGなのだ。
みなが触りだすと、ゆあが泣きながらかくしてしまう。
本当に嬉しそうに、リズムをとりながら音を鳴らすみながかわいそうに思えてくる。
明日もお姉ちゃんは学校だから、いっぱい遊んでいいんだよ、みな。
案の定、ゆあが学校から帰った途端、音の出るおもちゃをかくされてしまった。


1月13日(木)
朝は、起きないうえに、あまりに生意気な言いかえしばかりりするので、ぷっちん。
またまたギャーギャー怒ってしまった。
怒れば怒るほど、ゆあは悪くなるだけなのに、菩薩の母にはなれない私。
またまた反省。
お迎えの時、「もう怒らないお母さんになるし、ごめんね」とゆあにあやまる。
ゆあはけろっと「もう鬼母さんになっちゃだめだよ」
鬼母さん・・目指しているのは、菩薩のお母さんなのに・・理想は遠く、現実はきびしい。
からっ風が、鬼かあさんという言葉でますます身に染みる。
最近みなはかなり悪い。
しつこく悪さを繰り返す。
お姉ちゃんを好きだから、遊びたい、だからゆあに怒られても怒られてもちょっかいをかける。
ゆあはいやがっているのに、キーキー言うのがおもしろいのか、毛を引っ張ったり、けったり。
とうとう(学校が始まってナーバスになってたのもあって)泣きながら抱きついてきた。
ゆあが泣きながら助けを求めてくるなんて本当に久しぶり。
かわいそうにねーと慰めながらも、嬉しかった。
小さい子のように泣きじゃくるゆあを、ギュッと強く抱きしめた。
そんなゆあをニヤニヤ「うおっ!うおっ!」と威嚇する、悪いみな。
いろんなことが、少しずつゆあに追いついて、そのうち追い抜いて行ってしまうんだろうな。
お姉ちゃんの能力を追い抜いてしまうことを、その時みなは、どう思うのだろう。
そして妹に追い抜かれてしまうことを、その時ゆあは傷ついてしまうのかな。
必ず来る、その時に、ゆあとみなの心を温かく、抱きしめられる母親でいたい。


1月15日(土)
母の想い出があふれだして止まらない時がある。
何年か前まではつらい重荷だった想い出。
もっと愛してほしかった、優しく抱きしめてほしかった。
でも、ゆあやみなを、育てているうちに、想いは変わってきた。
母も1人の未完成の人間だったのだ。
子供の私は、公明正大ご立派で、正義感をふりかざして、未完成の母を、切り捨てた。
母の不用意に子供の心をズタズタに引き裂く言葉。
身勝手な、計画性のない、欲望に忠実な行動。
借金、陰口、ヒステリー。
愛してるって言ってほしかった、でも私も母に大好きって伝えたことがあった?。
私の心は真っ黒で、産まなかったらよかった、と言われたことをいつまでも覚えていて、思春期になって、
「生まれてなんか来たくなかった」と、何度も母を切り裂いた。
もし、ゆあやみなに、そんなこと言われたらすごくショックを受けるだろう。
母を抱きしめたい。
愛してるよ、大好きだよって伝えたい。
もうこの世にはいないけれど、想いはきっと伝わると思う。


1月14日(金)
みなは、のどがかわいたら、食器棚からコップを持ってきて、「あっ!」とさしだすように。
か、かしこい。
普通の子なら当たり前のことかもしれないけれど、今までゆあしか見てこなかったから、いちいち
「おお~っ」と感動する。
ゆあがお茶を欲しいというようになったのはずいぶん後。
たしか小2ぐらいだ。
1年生の時たしか「のどが乾いたら、ちゃんと先生に言わないと、お茶をもらえないよ」
と、何回もいいきかせていた記憶があるから。
みなは、のど渇き、らしくお茶をひんぱんに入れてくれとせがむ。
半分はわざとこぼして、ペチャペタ手で広げて、遊ぶのだけど。
お茶を欲求できるようになったら、あんなに吸い付いて離れなかったお乳をあまりほしがらなくなった。
今までのどが渇いていただけ?
今日も、服をめくって吸おうとしたけど、横でゆあがおせんべえをかじりだしたら、サカサカ、お乳を見捨てて行ってしまった。
まるでうっとしいと思っていた男に逆に捨てられた女のよう・・。
何だかさびしい。
ゆあはカメのような成長で、1つ1つ伸びた所を、指で数えながら、ゆっくりゆっくり歩んできたけど、
みなはうさぎ。
ゆあの何年もかかった道のりを、あっという間にかけぬけていってしまう。


1月16日(日)
ゆあは最近続けておねしょ。
学校が始まって、疲れているのかな?
今のところ学校ではかなりいい子にしているみたいだし。
ゆあはかげんのできない子。
ものすごくいい子にするか、ものすごく悪い子か、どちらかしか出来ない。
みなが生まれた直後、何回かやっぱりおねしょしていた。
にくらしいほどケロっとしてるけど、おねしょにかんしては私は怒らない。
何といってもおねしょ帝王の妹がいたからだ。
妹は本当にいい子で、母のお気に入り。
普段は怒られることなどけしてなかったけど、おねしょを毎晩繰り返し、それだけはきつく怒られていた。
お尻をたたく、やいとをするとおどす、はだかで立たせるトイレに閉じ込める、子供心にも、逆効果じゃないか?と思っていた。
案の定、妹のおねしょは治らなかったし、母が怒れば怒るほど、ひどくなっていった。
妹だって治そうと必死で、水は飲まない、寝る前にトイレに行く、夜中にもトイレに行く、いろいろしたけどだめだった。
妹も、いい子にどこか無理をしていたのかもしれない。
寒い中、もくもくとおねしょのふとん洗い。
ゆあも少しは悪かったと、思っているのか、今日はお手伝いをがんばっていた。
おふとんが乾かなかったので、今夜は私のふとんで、みなと満足そうに寝ている。
みなは最近いたずらがひどい。
タンス、引き出し、本棚、とにかくあらゆる物を、ひっくり返し引きずり出す。
ペンを持ち出してらくがき、(ゆあは顔にもらくがきされていた)水をこぼす、お茶碗をわる。
多少怒っても、私が本気で怒ってないとわかるのか、けろよん。
ついつい私も、そういう時期だし、しょーがないかと思ってしまうので。
今日もふすまを、ビリビリー
ゆあの昔の落書きやら、みなの最近の落書きやら、壁紙は猫がやってくれてるし(
こっちはきつくしかっているけど、ダメ)ああ・・引っ越しの時が恐怖。
大家さんごめんなさい。


1月17日(火)
ゆあは長い間、言葉が出てこなかった。
あの頃、ゆあが話してくれるなら、何を差し出してもいいとさえ、思っていた。
ここ数年でゆあの言葉は、飛躍的にふえてきた。
話せない頃、ゆあがどんな夢を見ているのか、聞いてみたかった。
夜中に興奮して目を覚ましたり、寝ながらくすくす笑っていたり。
言葉を、操れるようになってきたゆあ。
それまでため込んできたものが、あふれだすように、四六時中ペチャクチャペチャクチャ。
言葉が話せるといっても、意味不明なことが多い。
ああ・・神様ごめんなさい。
おろかな私は静かだった昔を、懐かしんでさえいます。
特に夢の話は長い。
目が覚めた瞬間から、長いときは、寝る瞬間までえんえん夢の話。
ゆあは夢の中でとてつもない冒険の旅に出ているらしい。
もしかしたら、ゆあにとって現実が夢で、夢が現実なのかもしれない。
少なくとも、どちらもゆあにとってリアルなのだろう。
今日も明日もあさっても、ゆあの夢語りは止まらない。


1月19日(水)
な・・何てこと!!
みなが、いつものようにお茶をこぼした、と思ったら、おもむろにぞうきんを取りに行き、
サッサとふきだした。
しかもふき終わったら、ちゃんと戻した!!!。
おおお~!!!
まだ1歳3か月なのに! 普通の子ってこんなにすごいの~???
信じられない!
怒ったわけでも、教えたわけでもないのに。
感涙。
あまり比べたらゆあがかわいそうだけど、ゆあがこれくらいの時って、お茶をこぼすことすら、なかったなあ。
ボーッとしたおとなしい赤ちゃんだった。
1歳6か月検診で、指さしをしないことを指摘されるまで、障害があるなんて考えたこともなかった。
そこから障害を受け入れるまでの数年間が、1番つらく苦しい時期だった。
うちの子は大丈夫、そのうち追いつくから、ただ少し遅れているだけ・・。
でもやっぱりあきらかに変な行動が出てきて、絶望に打ちのめされたり。
想いはいつも行ったり来たり空中ブランコだった。
普通の子って本当にすごい。
でもゆあはゆあだから、今のままで愛してるよ。
普通の子と障害のある子、それぞれを育てられて幸せだと思う。


1月20日(木)
旦那さんに子供を預けて表参道に、・・と言っても、遊びに行ったわけではなく、病院に。
ゆあが生まれた直後から、バセドウ病をわずらっているのです。
薬さえちゃんと飲んでいれば、まったく健康なのだけど、薬をなまけると、とたんにバセドウが暴れだす。
みなの妊娠中は寛解(おさまった状態)だったのだけど。
それで2~3カ月に1回は表参道の有名な甲状腺の病院に通ってます。
まあ、甲状腺の病気の人の多いこと、多いこと。
日本全国の甲状腺の病の人が、集まったかのよう。
実際、ものすごく遠いところから、新幹線などで通っている人もいるらしい。
近くに転勤になったのはラッキーだった。
初めてバセドウにかかった時、京都の病院では、ちゃんと診察もしないで、疲れすぎなだけじやないですか?などとあしらわれかけた。
ゼイゼイしんどくて、歩くのもつらくて、ひいおばあちゃんにささえられて、やっと病院に行ったのにだ。
血液検査でバセドウとわかったけど、死んでいてもおかしくないほど悪化していた。
元気だったら、おんどら、疲れすぎとはなんじゃい!と医者につかみかかってたかもしれない。
バセドウも9年のつきあい。
すっかり私の相棒だけど、毎回診察のたびにされる注射だけはなれない。
注射はきらい・・。
体にあんな大きな針を刺すなんて、恐怖以外のなにものでもない。
ゆあはホルモン治療で毎月注射をしてるけど、私よりもよっぽどかしこくがまんしている。
私はだめ。
あまりに顔をひきつらせているせいか、毎回看護婦さんに、「大丈夫ですよ~、もう少しですよ~」
と、子ども扱いされている。
血液検査ってだいたい、小さなビン(?)を何度も入れ替えてとられるのがやだ。
一瞬ですませてほしい。
長い針が刺さったままだと思うと、そのまま昇天しかける。
つらい注射が終わると、後は極楽。
診察まで1時間ほどあるから、のんびり表参道をぶらついたり、ランチをしたり。
お気に入りのスープの店の、窓際の席で。
ウォークマンで好きな音楽でも聞きながらのんびりスープをすすり、道行く人を眺めるのが好き。
たまにすごくおしゃれな人がいて楽しい。
京都にいたときは、表参道という言葉だけでドキドキしていたなあ。
東京の好きなところはいろんな人がいるところ。
おしゃれな街を歩いてても、居心地悪く、感じることがない。
個性的な人が多いから、地味な私も埋没できる。
埋没しながら華やかな街にひたって、いろんな人をながめてのんびり。
私は華やかとは無縁だけど、華やかな人をながめているのはおもしろい。
注射はきらいだけど、久しぶりに1人でのんびりできた1日でした。

1月21日(金)
今日はヘルパーの仕事で2:40には家を出るから、ゆあの学校のお迎えに行って、帰るまでゆあとみなを見ててほしい。
そう何度も旦那さんに、念押ししてたのに~
出かけたまま帰ってこない、帰ってこない~
そんな時にかぎって奥様友達は、今月の水道料金が高かった、と電話をかけてきて、なかなか切ってくれないし。
やっと切れたから旦那さんに携帯をかけたけど、マナーモードにしてるのか出ない。
ヒ~!!!遅刻したうえ、ゆあとみなを連れて行かんとあかんのか~
とにかくゆあをドタバタ迎えに行く。
旦那から電話。
旦那は夜、仕事としか聞いてないと一点張り。
もうっ!いつもそういう言い訳ばかり。
私の話なんて聞いちゃいないのだ。
とにかくまだ30分ぐらい帰るまでかかるという。
今すぐ出ても遅刻ギリギリ 。ヒ~!!
ゆあが「ゆあがみなとちゃんと留守番してるよ」
今日は興奮してなくて、すごくいい子。(ジキルハイドのジキルの日。ハイド氏の時はものすごく悪いけど、ジキル氏の時はすっごくいい。ゆあはたいていハイドよりだけど)
今日はめったにないジキルの日だし、みなもおとなしく遊んでいた。
思い切って留守番させていくことに。
みなが泣いてゆあが興奮して、みなに乱暴するのが1番怖い。
泣いたら、離れた場所に居てや、と言い聞かせ、後ろ髪をひかれる思いで家を出る。
イチかバチかの勝負!
旦那さんと結婚してから何度イチかバチかをくぐり抜けてきたか・・。
さいわい、旦那さんが帰った時、みなは案の定、泣いていたらしいけど、ゆあはおとなしく離れた場所にいてくれたらしい。
留守番15分ぐらい・・怖かった。
仕事の方は、走って走って、ギリギリ1分前着。
知的障害のある方との待ち合わせは絶対遅れるわけにはいかない。
若いお嬢さんとカラオケと食事。
本当にきれいなお嬢さんだけどゆあより障害は重く言葉はほとんどない。
でも不思議に歌は上手。
カラオケと言っても、もちろん私は歌わない、曲を次々入れていくのだけど、あらかじめお母さんが曲のリストを紙に書いてくれてはる中から、指をさしてもらって選んでもらう。
あせる。
まだリモコンで選曲していた習慣がぬけていないのか、ちっちゃな棒があつかいにくい。
会話のない利用者さんだと、私と時間を過ごして楽しかったのかなと心配。
話しかけたときに、少しニコリとされるぐらいなので。
帰ったのは8時ぐらい。
みなが涙で汚れた顔でしがみついてくる。
罪悪感。
働かないとお金ないんだよ。
どたばた疲れた1日だった。




1月22日(土)
土曜だけどゆあの学校は公開授業。
風邪気味だし、行ってもゆあはそっけない。
こないお母さんもいるし、お迎えだけ行ったらいいかと思ったけど、ゆあが後ろを振り返った時、居なかったら寂しいかな・・と、やっぱり行くことに。
少し遅れて教室に入ってみれば、「なーんや、お母さんとみなや」
と、プイ。
でも後から先生が「ゆあちゃん、お母さんがなかなか来ないって、振り返ってばかりいましたよ」
行って良かったみたい。
もう少し素直に喜んでくれたらなあ。
今日の授業は、工作でブーメランを作って飛ばすと、いうもの。
ゆあが小学校に入る前、まだ無理して普通学級に行かせるか、心障学級かで迷ってた頃、公開授業にきてみたことがある。
普通学級に比べたら、あまりに幼いことをしているように感じて、ちょっとショックだった。
その時、同じ発達教室に通っていたゆあと同じグループの子は、みんな普通学級に行くとのことだった。
中には、教育委員会と戦って、無理やり普通学級に入れた人もいる。
みんな、教育相談では心障学級が1番、楽に通えると、言われた子ばっかり。
ゆあも普通学級に入れるか、ギリギリまで悩んだ。
でも京都で行っていた教育熱心な保育園で、(満員でそこしか入れなかった)ゆあも私も疲れ切ったこと、東京で入った保育園は縦割りで、ゆあがイキイキ2歳ぐらい年下の子のグループで遊んでいたことを考えると、答えはでた。
ゆあが1番いきいき、自分をまげないで通えるところ。
出来上がったブーメランでイキイキ遊ぶゆあを見ていると、これで良かったんだと思える。
帰ってから、冷蔵庫のコーヒーを飲もうと思ったら、残りは1口分だけ。
下品だけど直接口で飲んでゴミ箱へポイ。
突然、サカサカ~と、みながゴミ箱から紙パックを出してラッパ飲み!
当然中身は空っぽ。
「うあっ!」と、怒って紙パックを投げるみな。
大反省。
この子はゆあと違って、人のやることをよく見ていて真似をするのか~
下品なことは、しないようにしないと・・。
あまりにみなが怒るので、マンション下の自動販売機で買ってあたえる。
何度もおかわりして、ジュースをすするみな。
失敗したかも・・ジュースの味を覚えさせないほうが良かったかも・・。
「うあっ!」(訳)こんなおいしいものがこの世にあったのか!
これからしつこくせがまれるようになるかも・・。


1月24日(月)
うちのマンションは築30年以上。
古いせいか、ちょっと電気を使い過ぎると、ブレーカーが飛んでしまう。
電気が落ちると1番困るのが、パソコンも消えてしまうこと。
特に電気をくうのが、掃除機、レンジ、炊飯器。
この3つは、絶対一緒に使ってはいけない。
旦那さんには、何度も警告してたのに~。
深夜、夜なべしてパソコンで描いていた絵。
朝、ゆあを起こして、みなに朝ごはんをやって、・・もう少しで絵も仕上がるし、みなが昼寝したら一気に仕上げようと思ってたのに・・。
炊飯器をたいてたのに、旦那さんがレンジを使い、プスン。
がーん!
でも途中まで保存してたし、あきらめて、そこから描きなおそうか・・、と、思ったら、途中で消えたからか、イラストスタジオが変。
どうにも動かなくなってしまった。
いじくったあげく、初期化され、取り込んだトーンや自作トーンがすべて消えてしまった。
もう大爆発。
子供のように大泣き。
旦那さんオロオロ。
たまにこんな爆発を起こして、旦那さんを困らせてしまいます・・。
結局、取り込んだトーンと自作トーンの1部は、パソコン内に保存していたので、めんどくさいけど1つ1つイラストスタジオ内に取り込みなおしました。
後のは、トホホ。
2学期は散々、ゆあの学校での困りごとを、先生に聞かされて憂鬱だった。
3学期が始まって、思い切って先生にあまりゆあの悪いことばかり聞くと、家でも怒りすぎて、ゆあがますます興奮して、悪循環におちいる、と訴えた。
悲しそうに訴えたからか、翌日から、ここはダメだったけれど、こっちはがんばりました、と、ほめてくれはるように。
やれやれです。


1月26日(水)
里親募集の写真で見ただけの猫なのに何だか忘れられない。
行きずりの猫なのに・・。
他の猫と一緒にNPOか何かの団体のポスターに貼られていたのだけど、その中で梅さんだけが強烈だった。
不遜な顔。
性格の説明が、わがままで人間を下僕扱いします。
ひえ~!そんな説明でもらいたい人がでてくるの~?、いやいや引き取られてから返されるより、こういう性格でいいという人に、もらわれる方が、梅さんの幸せか。
推定3~4歳。
元の飼い主はどうして梅さんを手放したのだろう。
私は、生き物を家族に迎えたからには、何があっても、・・飼い主が命を終える時までは、絶対一生そばに置くか、どうしても無理なら、新しい家族を探してあげることが当たり前だと思う。
こういうことを子供の時に言ったら、母にはキレイごとと言っていたけど、その頃の母の年齢になった今も、その考えは変わらない。
だから家出した時も、結婚した時も、赤ちゃんが生まれた時、転勤の時、猫のごろはずっと私と一緒にいた。
私の、命よりも大切だったごろ。
今いる猫たちも、へその緒つきでゴミ袋に捨てられていた。
転勤族で障害のある娘・・、貧乏だし、本当に迷ったし、われながらばかだなあと思ったけど、拾ってしまった。
捨てるならどうして避妊させないんだろう。
世の中、ペットの命を軽く考える人が多すぎる。
この間、ポスターを見たら、違う猫の写真に代わっていた。
梅さん・・、いい飼い主が見つかったのかな。
幸せに暮らしていたらいいな。


1月29日(土)
みなは最近、テレビの音量を上げるのが、マイブーム。
いきなり大音量になるのでびっくりしてしまう。
ゆあは大きな音が、恐怖に近いぐらい苦手。
大騒ぎして泣き叫ぶゆあを、悪の微笑みで見守るみな。
みなはお風呂上りに服を着るのを嫌がるように。
無理やり着せようとしても、身をよじって、のたくって逃げる。
力づくで着せても縄ぬけのごとく、器用に脱いで、解放された喜びに輝く笑顔で、チョロチョロ。
もうあきらめて好きなようにはだかで過ごさせているのだけど、ゆあまでまねをするように。
みなは風邪をひかないけど、ゆあは万年風邪ひき。
ハロゲンで温かいとはいえ、すぐに鼻水を出すし、注意すると「何で、ゆあだけっ!」
と、ひがんで泣き出すので困ってしまう。
とはいえ、はだかで過ごす心地よさを私は知っているのです。
1人暮らしをしていた若い頃、実家から出た解放感からか、はだかですごすように。
とにかくすっごく気持ちいい。
特にはだかで毛布にくるまるときなんて、心から幸せを感じていた。
宅配が来たときはあわてたけれど。
結婚してはだかをあきらめたけど、しばらくは寝る時も寝巻を着ることが、すごく気持ち悪くて、1人暮らしがなつかしかったです。
だからゆあとみなの気持ちもわかるけど・・。
もしかしてはだかは遺伝!?


1月30日(日)
今日は10時から5時まで、ヘルパーの仕事でした。
みなは私が着替えだすと、自分も一緒に行こうと、いつも着ているウサギの着ぐるみをかかえてニコニコ。
かわいそうで涙チョロリ。
やっぱり自分は行けないと知るや、大泣き。
後ろ髪をひかれながら、家を出て、忘れ物に気づいてこそっと戻ると、もう泣き声がしなかったのでホッ。
帰ってから聞くと、泣いていたのは5分くらいらしい。
少しは私が仕事に行くのに慣れてくれたのかな?
案外赤ちゃんって母親が考えるよりたくましい。
今日は知的障害の利用者さん3人とヘルパー3人で、コンサートとカラオケ、食事。
コンサートは障がい者さんの太鼓や、楽器演奏の発表会。
太鼓があまりに迫力があって涙チョロリ。
これだけのものを身に着けるまで、どれだけ大変な練習を、親も子もしてきたのか・・、想像できるだけに。
それを言うと、今日一緒だった、3人の利用者のお嬢さん方のご両親、今までの利用者さんのご両親、
全ての障がい者さんのご両親、・・・わが子を成人まで育て上げるまでに、どれだけの涙とあきらめと修羅場をくぐりぬけてきはったのか。
今朝の新聞に、発達障害の子供を殺してしまったお母さんのことが載っていた。
他人ごとではない。
障害を持つ子の親なら多分誰でもが、追い詰められた瞬間に、せつなの殺意をわが子に抱いたことがあると思う。
憎しみと愛情のはざまで。
どうか、今苦しんでいるお母さんがいたら、休んでください。(普通の育児でも、だけど)
苦しいときは休んでいいから。
疲れが休まる時までグーグー寝てていい。
母親が連れて行くのがしんどいなら、無理して発達教室とか通わなくていい。
ゆあの場合はだけど、通ってもたいしたことなかったし、他の子とくらべて落ち込むし、専門家の先生というのは勉強だけして、現実を知らない人が多かった。
もっと頑張ってくださいと、何度言われたか。
頑張りすぎて、もうボロボロのくたくたに疲れ切っているのに。
かえって専門の先生にぎりぎりまで追いやられることがあった。
子供に障がいがあって、今までの人生のすべてがひっくり返ってしまったと、全宇宙が真っ黒になってしまったように感じても明日はくるから。
苦しみの渦中にいる時は、先も真っ暗に見えるかもしれないけど、苦しみの先には安らぎややくぐり抜けてきた自信やもちゃんとまっているから。
ゆっくり眠って休んでいいんだよ。


1月31日(月)
昨日はえらそうに語ってしまって大反省。
語るといつも後から、ものすごく恥ずかしくなるのにたまに語ってしまいます。
私と呑みに行った方は、語られるので要注意です。
昨夜遅く、起きだしたみなは、せんべいを見つけ出し、「うあっ!(開けろ)」
もちろん夜だしダメ。
あきらめたと思ったら、寝ているお姉ちゃんを起こして「あっ!」
か・・かしこい。
ゆあはすぐにみなにお菓子を与えてしまう。
泣かれたくないから。
ちゃんと人を選んで、ねだりに行くなんて、生まれて1年ちょっとなのにすごい悪知恵・・。
ゆあはいまだに、そんな器用なことができないから、普通の子なら当たり前のことかもしれないのだけど、びっくりしてしまいます。
ついついゆあ基準で見てしまう私。
ゆあは眠たいので、開けてくれなくて、期待が裏切られたみなは大泣き。
かわいそうでついつい開けてやりたくなって、ぐっと我慢した私でした。