ライシャシリーズ(新しい順になっています)

仮面の下の素顔

 

 

まだ描きだすのは少し先ですが、ライシャ第2部のイメージ画です^^

 

上)仮面舞踏会でシンデレラ姫に扮するライシャ。

お姉様に思いっきり飾り立てられる。

パーティ会場のふいんきに少し酔ったライシャを心配する、騎士に扮したソニア。

「ライシャは素顔のままの方がいい」

 

下)がっちり固めたジーザライトの仮面を

 あっさりはがすライシャ。

 

ジーザライトの胸に初めての感情が芽生えていく。

「君のお兄様ではもういたくない。

 ソニアには渡せない」

 

 

2部は今から4年後の世界。

ライシャ17歳、ソニア15歳、ジーザライト21歳。

 

今の所、ソニアはまだ子供で、めだたない存在ですが、4年後にはライシャをはさんで、兄ジーザライトと熱い火花を散らすかも♡です。

 

上と下の絵、別々に描きたかったのですが、時間が無くて1枚に詰め込みました

*▽*

仮面祭もっといっぱい描きたかったなあ><

いっそ投稿制は辞めて、1人祭で好きなように開催しようかなあ・・。

 

ライシャ14・2つの鼓動

 

驚く継母ララ。

いつもは近づいてくることのない娘が「手伝ってやる」

と横に立ったからだ。

「ライシャがどうしても手伝えと言うから仕方なくだ」

真っ赤

「ライシャがあんたに家事を教わったらどうだと言うから教わってやる。仕方がないからな」

ぶっきらぼうに早口に言って目をそらす。

 

「ライシャが言うなら仕方がないな。教えてやる」

真っ赤なララ。

「お2人とも不器用なんですから・・・」

執事のリッチャーが涙をぬぐう。

「リッチャーは嬉しいです。お2人が雪解けを迎えられて」

 

「違う!ライシャに言われて仕方なくだ!」

「そうだ!雪解けってなんじゃ!」

同時に叫ぶ

 

その時、リーサのスカートのすそをクィクイ

「お前もこの家の子か?じゃあ俺の姉ちゃんだ!やったあ、姉ちゃんが2人だ!」

「いっぱい兄弟が出来たね」

ソニアと庭師の子ヴィーが笑う

 

「・・・・おい」

母を見る

「あんた庭師と再再婚するのか?男は苦手だったんじゃねえのか?」

「なな☆」

「奥様本当ですか?!」

涙目のリッチャー

 

「結婚か。考えたこともなかったが、ヴィーには母親が必要かもな」

照れながら言うシグマ

 

「勝手に話を進めるな~~~~!!!」

 

 

 

台所から離れて

この屋敷の御坊ちゃま、自称お兄様を起こしに部屋をノックする。

「お兄様?」

「ライシャ~。起こしてくれる?」

「仕方がないなあ。もうみんな起きてるよお」

 

引っ張ろうとした手を引かれジーザライトの胸に倒れこむ。

「わわわ」

「昨夜はお母様と寝ちゃうから寂しかったよ~。

今夜は僕と寝ようね」

耳元でささやく。

 

激しく波打つ鼓動。

耳を澄ませば聞こえるジーザライトの静かな鼓動。

 

本当に妹としか思ってないんだ・・。

心がせつなくふるえるライシャだった。

 

 

続く

サイト奥の間の仮面祭用イラストです。

 

遅くなりました~+▽+

どうしても仮面をかぶった姿とはずした顔を描きたくて、2部構成にしたら2倍時間がかかったような・・☆

今回のお祭りキャラはライシャです^^
お兄様の2面性が出てたらいいな

下の人たちは・・・
1部変な仮装なのは外人なのでお許しください**
日本を誤解しているようです。

ライシャ13・揺れるハート

 

執事のリッチャーと庭師のシグマ以外は解雇した。

 

自らエプロンを付けてキッチンに立った継母ララ

「あたいも手伝う♪」

うきうきとライシャもエプロンを付ける。

 

嬉しい。

最後にお母ちゃんと台所で料理したのはずい分前のことだ。

 

「野菜を取ってきたぞ」

シグマが入ってくる。

「あんた、料理なんぞ出来るのか?いいとこの奥さんなのに」

 

「結婚するまでは祖母と暮らしていた。

一通りのことは教えてもらった。

おばあちゃんが亡くなって・・かばってくれる人がいなくなって欲にかられた両親に、金持ちの夫に売られた」

 

野菜を洗いながら

「夫は私が召使のようにキッチンに立つことを許さなかったから、久しぶりじゃ」

 

「痛っ!」

「リッチャー、手伝いはいい」ため息

「でも奥様が台所で働かれているのに私がのんびりしているわけには・・痛っ!」

 

「リッチャーさん器用だねえ。包丁持ってる方の手まで切るなんて;」

包帯を巻きながらソニアが言う。「指が全滅だ」

 

乳母と暮らしていたソニアの方が上手に野菜の皮を次々剥いている。

「すいません;;」

 

 

「・・・ばばあが台所に立つなんて初めて見る」

台所の入り口に立ったララの娘、リーサがボー然と言う。

 

「お姉さま、一緒にやろうよ!楽しいよ」

「わ・・私はいい」

 

「料理嫌い?」

「したことない」

「お母様に教えてもらえばいいよ!

そうだ、お姉さまも今晩お母様と一緒に寝ようよ!あったかいよ」

 

ぶっ

「ばばあと!?」

 

リーサの頭の中にのどかに手をつなぎ微笑みあう2人の幻が悪夢のように浮かぶ。

「冗談はやすみやすみ言え。ばばあが私と同じベッドで寝たがるか」

「昨日あたいと寝たよ。ソニアとヴィーとも」

 

信じられない目で母を見る。

 

「・・私はあの人の大嫌いなじじいにそっくりで嫌われてる。

一緒に寝たがるはずない」

 

「お母様昨日、お姉さまのこと話してたよ」

「私のことを?」

 

「生まれてすぐ無理やり引き離されたって。

すごく悲しそうだった」

 

「あの人が?」

「うん。嫌われてるって」

 

大きな目が揺れる。

「嫌っているのはあの人の方だ」

 

「お姉さまのことちゃんと愛してるよ」

優しい瞳のライシャ。

 

「本当か?」

「うん!当たり前だよ!」

「あの人が私を愛してる?」

 

母に嫌われているという思いで付けていた心の鎧にひびが入る。

リーサは心に温かい明かりがともった気がした。

 

 

 

続く

 

 

 

素顔のままで

 

 

「お・・降ろさんか!」

「じっとしとれ。ただでさえ重たいんだ」

 

継母、ララを抱き上げたまま部屋に運ぶシグマ。

ベッドにそっとおろす。

 

あつい筋肉と汗の匂い。

ララはこんな男は初めてだった。

最初の夫は醜い痩せ細った老人、2番目の夫は禿げ頭の小男、後はきゃしゃなリッチャーしか身近に男はいなかった。

 

夫が死んでからは使用人もリッチャー以外女ばかりにした。

男なんかぞっとする。

2度目の結婚だって、夫となる男がララのお金だけが目的で、体にはふれないと約束したからできたのだ。

 

でも、今シグマに抱き上げられ運ばれて、少しも嫌などころか不思議にワクワクして・・自分の気持ちにとまどう。

 

黙り込んだララに、落ち込んでいると思ったのか

「元気出せ。お金がないなら、俺が貸してやるから」

 

きょとん

「お前、庭師のくせにそんなお金を持っているのか?」

「あ・・まあな」少しあせったかのように

 

「そ・・それより、楽な格好に着替えて寝たらどうだ?」

 

素直にカーテンの陰に入りコルセットをはずす。

「使用人を解雇して何とかする」

ネグリジェに着替える。

 

「遠慮しなくていいぞ」

 

シャッ

カーテンを開く

「食費は借りる。本当にいいのか?」

 

「ああ、そのかわり俺とヴィをここに住まわせといてくれるなら・・・」

ドキッとする。

 

三つ編みをおろし、黒い服を脱いだララが少女のように幼くかわいく見えてとまどう。

ヴィーの母親は商売の女性で、ある日いきなりあんたの息子だからと赤ん坊を押し付けて有無を言わさず去って行った。

ヴィーには死んだと言ってあるが。

シグマは女性をかわいく感じたことなど初めてだった。

 

2人の目がふと合って、一瞬からみあった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日はお母様と寝ていい?」

「別にいいが」

喜んでララの横に潜り込む。

 

「俺も!」

「僕も~」

ヴィーとソニアもベッドに飛び込む。

 

「わーい!おばちゃんのベッドいい匂いがする!」

「ヴィーまくら投げしよう」

ドタバタ

 

「リーサお姉さまいいなあ。優しいお母様がいて」

ララの胸に頬をすりよせる。

 

少し悲しげに

「リーサにとって優しい母親だった時何て1度もない」

 

「13であの子を産んだ。

夫はリッチャーを乳母がわりに付けて私から引き離したし、夫が死んだ時には、あの子はリッチャーにべったりで私の傍には来てくれなかった。

私も・・どう接していいかわからなくて・・今ではすっかり嫌われている」

 

「まあまあ、実の親子なんだから話し合ってみたらどうですか」

ふいに真横からバカ坊ちゃんの声がする。

 

「あ~、俺の場所取られた~」

「兄様、せまいよ~」

 

ララの横でくつろぐジーザライト。

 

プルプルプル

 

ドカッ!

蹴り飛ばす。

 

「ひどい~~ソニアは良くてどうして僕はダメなんです~~~ライシャ~~~」

遠ざかっていく声を見送る子供達だった

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

あふれるあなたへの想い

 

「あ、それでお母様」ニッコリ何か言おうとする義理の息子

「待て。何か嫌な予感がするぞ・・」

 

「お母様、鋭い!あのですねえ、この庭の材料をそろえるのに、このお屋敷に置いてあったお金全部使っちゃったんです」

えへっ

 

「な・・」

「大丈夫ですよ^^この庭で作った材料で実験をしていずれは10倍にも100倍にもしてお返しします」ニッコリ

 

「おま・・おま・・ど・・どうするんじゃ~~~!!

あれは私の全財産じゃぞ!」

「でもお母様は裕福なはずじゃなかったんですか?亡くなった前の旦那さんが大金持ちだったって聞いたけど」

 

「前夫は変わり者での。財産は1年ごとに分割して渡すように遺言したんじゃ。

今年の分はお前の父親への持参金でほとんど消えた。

次は年が明けんと入らんのに、どうするんじゃ!いったい!」

 

「困りましたね~」ちっとも困っていない顔でジーザライト。

 

「使用人への給金も出せんし・・食費も・・」

クラクラ~

「お母様!」ライシャが駆け寄る。

 

それより早く庭師のシグマがささえる

「お前、大丈夫か?」

「~妻みたいに呼ぶな~」

 

「おばはん、名前なんじゃ?」

クラクラしながら

「名前は・・マリゴールド・・・いや、ララじゃ」

「?ララでいいのか?」

 

「ああ。ララ」

「案外かわいい名だな」

 

これからのことを思うとますますクラクラしてくる。

「大丈夫か?ララ。部屋で休め」

いきなり抱き上げ歩き出す。

「離せ~~~~」

 

 

 

 

「リッチャー、大丈夫か?」

ハッと起き上がる。

「倒れたと聞いて慌てて飛んできた」

 

「お嬢様」めがねを差し出され「すいません、心配をおかけして」

「良かった、本当に心配したんだから」

 

「あの、奥様は?」

「・・・何か、お金がバカ坊ちゃんに使われて無くなったって、ヒステリーで倒れたって」

「何ですって!」立とうとするけど、貧血でふらふら。

 

「大丈夫だって!あの、でっかい庭師が部屋に連れて行って寝かしたって」

 

リッチャーの目に涙がにじむ。

 

「ふがいない。いつもいつも、奥様の何の役にも立てない私が・・」

小さなささやきを、リーサは逃さなかった。

「ララ・・!」

 

唇をかむ

(リッチャーはお母様のこと・・!)

 

 

続く

 

お兄様の秘密の花園

 

慌てて温室へ向かう継母。

扉の前で立ちすくむ。

 

「あたいが開けようか?」

「・・たのむ。ライシャ」

ごくん。

 

キキキ~~~

禍々しい音をたてて扉が開く。

 

ずももももも

 

目の前に広がるのはかっての美しい花園の面影ゼロの恐ろしいパノラマ。

「気絶したいと今ほど思ったことはないぞ・・・」継母のうつろな声。

 

ふら・・・

「リッチャーさん!」

後ろで本当に気絶する執事のリッチャー。

 

「いや、あんたには悪いと本気で思ってる;美しい庭だったが、坊ちゃんがどうしてもと言うし」

「美しい?そんな言葉では言い尽くせん。私の魂の1部だったのに・・」

 

「ライシャ、はい、プレゼント」

「?」

妖しげな木の根を渡すお兄様。

根が人の形をしていてコックリお辞儀する。

「わ!」

「僕の栽培したアラウネだよ。最強の呪術アイテムさ^^

毒はぬいてあるから安心して」

 

「すごい。生きてるのか?」

「僕の畑で採れるアラウネやマンドレイクには絞首刑された中でも最高の犯罪人のDNAを肥料にあたえてるから100年は生きるよ」ニコニコ

「かわいい!あたい人形ってもったことがないから、前にトウモロコシの芯を人形代わりにしてたんだ。

それよりかわいい!」

 

赤くなるアラウネ。

「ライシャ!さすが僕の妹!僕の庭を見ても引かない人は初めてだ!」

 

「私の庭だったんじゃ・・・」

引きまくりの継母。

 

その時庭の端にあった小屋から裸の男の子が飛び出してくる。

「お帰り」

 

「庭師。妻帯者だったのか?こんな化け庭でやしなっとるのか?」

「よく俺の息子と分ったな!」

「母親のDNAが1粒もはいっとらんようだからの。

お前の妻は子供に服も着せんのか?」

 

「妻は・・」

「父ちゃん、新しい母ちゃんを連れて来てくれたのか?

太ってるけどボインで合格!」

もみもみ

 

「恐ろしいことを言うな!ヴィー、こ・・こんなおばはん好みじゃないぞ」

言葉とはうらはらに真っ赤。

「おばちゃん、俺妹欲しい」

 

「おばちゃんと言うな。馬鹿ボンボンと同じようなセリフを言うな。それに私は無一文の庭師とは再婚せん」抑揚のない声で言葉を連ねる継母。

 

「おばちゃんがダメなら母ちゃんと呼ぶ」

 

「おばちゃんでいい・・」

 

 

 

続く

 

「お母様」 お母様と呼べるのが嬉しくてもう1度ささやいてみるライシャ。

 

ライシャのそんな澄んだ瞳からそっと目をそらす継母。

 

「・・お前の曇りのない目が私にはまぶしい。私は心も体も汚れているからな」

「汚れて?きれいだよ。少し太ってるけど」

 

「私はお前の年ごろでリーサを産んだ。

この屋敷の主人に、両親から金目当てで妻として売られたのはまだ7歳の時じゃ」

「7歳?」

 

「お前に思い出なんて語ったって仕方がないがの。鬼畜のような夫だった。私が安らげるのはまだ使いっぱしりをしていたリッチャーと2人の時と、温室の花に囲まれている時だけだった。
私の過去を知ったら、お母様何て呼びたくなくなるんじゃないか?」

 

「お母様・・つらかったんだな。」

 

涙が浮かぶ。

「あたいの父ちゃんはお酒を呑んでなぐるけど、売ったりはしなかった」

 

「な・・泣くな」オロオロ。

 

「ふ~む、おばはんも苦労したんだのう」

ぬっ!

いきなり出てくる庭師のシグマ。

 

「な・なんじゃ!」

「贅沢暮らしで太った性格の悪い金持ちばばあと思ってた」

 

ぬっ!

「僕の妹~♡お母様の話に涙を流すなんていい子だ~、さすが僕の妹!」

「お姉ちゃん^^」

いきなり出てきたジーザライトとソニア兄弟がライシャにまとわりつく。

 

「お、お前ら・・こそこそ私の話を聞いとったのか!」ムカア

1番近くにいたシグマの頭を扇でガツン!

 

「いでっ!俺は温室に行くと言うから覚悟しろと追いかけてきてやったのに」
「何を肩に手をおいとる!いやらしい!」

 

「奥様!」

リッチャーが走ってくる。

「メイドの話では温室はとんでもないことになっているとか!」

 

「な、何じゃと!」

もう1度ガツン!
「いてて、乱暴なおばはんじゃ! だからな、俺はお前さんがこの屋敷の主人だと知らなかったから坊ちゃんの言うまま温室にちょこっと・・いや、かなーり手をくわえたんだ」

 

「何い!」

ジーザライトを恐ろしい顔でにらむ。

「えへっ」

「お兄様?!;」
ライシャの非難の目にさすがに気まずそうに眼をそらすジーザライト坊ちゃんだった。

 


続く

 

ユーチューブに制作過程の動画を載せています^^
ユーチューブでライシャで検索していただくと見れます^0^

ライシャの想い

 

「お母様~、別に僕はマダム好きじゃないんだからお母様の裸を見たって何とも思わないってば。」

呑気に部屋に戻ってくるジーザライト坊ちゃん。

 

ジロッ

「睨まないでくださいよ。そりゃあ、ええ胸やな・・とチラッと思いましたが」

 

(思ってたのか・・・)

「ライシャ!いたのか!違うよ。これは母への憧れ・・」

「そんなことはどうでもいい!この変なおっさんを庭師にしたのはお前か!」

 

「はい、僕でーす」

 

「ここは私の屋敷だぞ?!」

「わかっています。僕が居候だということもね」

「わかっているなら・・」

 

「やめた庭師の変わりを見つけただけですよ。わざわざお母様の手をわずらわせるほどのことでもないと思いましてね」ニッコリ。

 

「・・・」

「それにお母様は最初の夫、・・お姉さまの父上の従弟殿にしつこく言い寄られておられるとか」

「言い寄っているのはリーサにじゃ。夫の残した財産目当てにな」ふん、と。

「じゃあなおさら用心棒は必要ですよ^^お母様もお姉さまもしょせん女。執事のリッチャーさんは細腕だし僕だって何にも出来ないお坊ちゃんですから。他にはこの屋敷にはメイドしかいない。」

「何も出来ない坊ちゃん?・・ふん、そうか?」

「ええ」ニッ。

 

「ふん、もういいわい。リッチャー温室へ行ってくる。久しぶりに花でも見たくなった」

「メイドを1人お付け下さい」

「1人でいい」

「奥様」

「あたいも温室見たい!一緒に行っていい?」

 

ずかずか歩く継母を追うライシャ。

「お前花が好きか?」

「うん。ここへ来て3日だけど温室は初めて」

 

「ここの温室は豪華での、都の貴族どもでもここほどの温室は持っておらぬ」

温室のことを話す継母は少し優しい顔だ。

ライシャはまた優しかった母を思い出す。

 

「お母ちゃん」

「にゃ?」

「ごめんなさい;お母ちゃんみたいと思って。」

うつむくけど

「あたいもお兄ちゃんやソニアみたいにお母様って呼んでもいい?だめ?」

 

「ああ・・別に好きに呼べばいいが・・」ぽかんと。

「実の娘にもお母様なんて呼ばれておらんがの」

 

「良かった!」

継母のふくよかな手をそっとにぎる。

「お母様」

 

胸にわいてくる甘い思いと手のぬくもりにどうしていいかわからずぼんやりする継母だった。

 

 

   続く

 

 

ライシャ7・継母とライシャ

「な・な・な」

「太ったおばさんでも、女の裸はいいもんだぜ」にやり

 

継母の頭に怒りマークがつぷつぷ。

 

どすどすどす!

「な、なんだ・・?、やめろっ!ここは2階だぞ!」

どすっ!

突き飛ばす。

 

「わ~っ!!!」

 

梯子がゆっくり倒れていく。

 

 

「お母様、大丈夫ですか~」

いきなり義理の息子が入ってくる。

 

わなわな

「あれ~、お着替え中でしたか。」

じー。

 

バカッ!

蹴っ飛ばす。

「着替え中と分ったらすぐに出て行かんかい!」

 

「お兄ちゃん;」

ジーザライトと一緒に入ってきたライシャは唖然。

 

 

 

「奥様、背中のチャックが開いてますよ。

どうか着替えは1人でなさらずにメイドに手伝わせてくださいませ」

「めんどくさい。」

「髪も1人でされたのですか?」

「そこの小娘に手伝わせたわい。

それより追っ手をやって痴漢変態親父を捕まえるんじゃ」

 

どすどす

「誰が痴漢変態だ! くそっ、たんこぶなんぞ出来たの久しぶりだ」

 

「梯子まで使って覗きをするのは痴漢変態じゃ!」

「黒いヒラヒラしたものが、庭から見えたから、何かと思って覗いただけだ!わしだって本当にのぞくならもっと若くて可愛いタイプがいいわい」

 

ムカッ!

「こいつはいったい誰じゃ?」

ライシャの方を見る。

 

「庭師のシグマさんだよ」

「に・わ・し?昔からいた庭師の爺さんは別人だったが」

「そうなの?あたいがここに来たときにはこの叔父さんだったよ」

 

「そう、その爺が引退したんで、ジーザライト坊ちゃんがわしを雇ってくれたんだ」

「なんじゃと?私に勝手に!」

 

継母の頭に怒りマークがプツプツ増えていく・・。

 

「お母様乱暴なんだから~」のんきな声が遠くでする。

 

ライシャは知らず首をすくめるのだった。

 

 

 

 

            続く

 

ライシャ6・意外と優しいお姉様と謎のおじさん

 

ライシャの目から次から次へ涙がこぼれ落ちていく。

 

その時・・

「泣くなよ。チビが泣くのは好かない」

口の悪いお姉様がきれいなハンカチを差し出す。

 

「あの・・」

「ライシャ!どうしたんだい?僕の妹!どこか痛いの?」

ジーザライトがオロオロ駆け寄る。

 

「ほら、チンしろ。ハンカチが汚れるくらいいいから」

 

「リッチャーお茶を用意しろ。休む」

ズカズカ継母が屋敷に入っていくのを「はいっ」執事のリッチャーが追う。

 

 

「あの、あの;」

「ライシャはこちらのドレスの方が似合うかな?」

 

お姉様はライシャが自分のお古のドレスを着ていたのを怒るどころか、クローゼットからもっとたくさんのドレスを出してきて次から次へ着せてくれる。

 

ソニアまでドレスを無理やり着せられている。

「僕恥ずかしい・・」

「何を言う。 かわいいじゃねぇか! 私は妹が欲しかったんだ。な?こんな馬鹿ボンボンの妹はやめておけ。私の妹にしてやろう。2人とも」

 

「僕は女じゃないんだけど」

「だめだめ~~~~!!!ライシャは僕の妹!あげない! ソニアも僕の弟!」

 

 

 

「・・こいつ気を付けろよ」

お姉様がソッとささやく。

「えっ?変態なところ?」

「いや、そこは実害はないだろうが。こいつな、実の父親を毒殺したって噂だ」

「えっ、まさか!」

「表に出している顔ほど、いい奴じゃない。地下にこもって変な実験もしているし」

「変な実験?;」

 

「何々~、何の話?」

「まあ、お前もそのうちわかるさ。」

 

「ライシャおいで~♡僕のかわいい妹!」

ニコニコ抱きしめてくれる。

(変態だけど・・でもお兄ちゃんがどんな怖い人だとしてもあたいは好き)

ライシャの頬が知らず染まる。

 

 

「奥様、紅茶をお持ちしました」

「ブランデーも持って来い」

「ダメですよ。昼間からアルコールは。体によくありません」

心配そうに言う執事に

「ちっ、これからあの馬鹿ぼんと暮らすのか」

フ~と煙草の煙を吐き出す。

「煙草もよくありませんよ」

「ふ~~、口うるさい」「奥様」執事の目がうるうる。

「わかったわかった。やめるから泣くな; 着替えるから出て行け」

「はい^^」

 

 

「まったく、持参金も戻らんかったしこれからの生活をどうするか・・。召使をへらして、節約して・・」

ふと間近に視線を感じてゆっくり振り返ると・・

 

「何で屋敷に太ったおばさんがいるのだ?」

窓から見たことのない親父が堂々と覗いていた・・。

 

 

 

       続く

 

ライシャ5継母と義理のお姉さま登場

 

ガラガラ、豪奢な馬車が屋敷の前に止まる。

 

「付いたようでございますよ、奥様、お嬢様」

険悪なふいんきの主人2人にオロオロ言う執事。

「あ、あの実家に戻られたのだから、これからはのんびり羽をのばされて・・」

「気を使うな、リッチャー。 こやつが子供のようにすねているだけじゃ」ふん、と鼻をならす。

「奥様;」

「くそばばあ。 てめえがすぐ死ぬようなロクデナシと再婚なんかしやがるから、振り回されてクタクタなんだよ」

口の悪い美少女が母親をにらむ。

「お嬢様!」おろおろ。

「私はお前の縁談を有利にするために、貴族の男と再婚したんじゃ」

「頼んでませーん」

「お前が自力で旦那を見つけられんせいで私が苦労しとるんじゃ!」

バチバチ火花が散る。

 

互いのイライラがピークまで高まった時、「どなたかお客様がおられるようですよ」

執事の声に我に返る。

 

 

「あっ、お母様が戻ってこられたようだ」

ジーザライトが屋敷から出てくる。

 

「えっ、継母と義理のお姉さんか?」

ライシャの心臓がキュウと縮まる。

 

門がギ~ッと重い音をたてて開く。

 

「お義母様~」

ジーザライトがのんきに手をふると、弟のソニアも無邪気に「お母様~」と手をふる。

屋敷を追い出されるかもしれないなんて微塵も考えていない。

 

ライシャは緊張のあまりクラクラしてきた。

 

門から入ってきたのは太っているけどきれいな顔立ちの女の人と美人できつい顔立ちの女の人、それから眼鏡の優しそうなおじさん。

 

太った人が継母らしい。

 

黒いドレスからはちきれそうな大きな胸、ふと、ライシャは甘い記憶が頭をよぎる。

 

お母ちゃんも大きな胸だったな。

抱きしめられると甘い匂いがしてほわわんと幸せだった。

 

この人も甘い匂いがすんのかな?

 

「おいっ!何でバカ坊ちゃんの義理の弟がここにいるんだよ!」

「私が知るか!」

ボー然とする2人。

 

「疲れたんじゃないですか?^^ くつろいで下さいね。家族でお茶でもしましょう」ニコニコ。

「家族?!」

「そう。僕たちこれからずっと一緒に暮らすんですから、家族でしょ」

当然のように言う義理の息子。

 

 

(ジーザ・・お兄ちゃんはともかくあたいは追い出されるかな?)

少しの間にハンサムで優しいおバカなジーザライトとソニアが大切な、大切な人になっていた。

(仕方ないよ。魔法はいつかは覚めるもんだ。 また酔っ払い親父と暮らせばいい。 元の暮らしに戻るだけだ)

笑おうとしたけれど、涙がこぼれ落ちた。

 

 

 

 

 

              続く

 

野の花

 

「ふう」

「どうしたの?僕の妹のライシャ♡」

 

あたいの髪をすいてくれているのは、公爵家のおぼっちゃま、ジーザライト・アウグリア・何とかかんとか・ルイブィアという。

 

「ジーザライト様、あたい・・」

「お兄ちゃんでしょ」

 

「・・ふう」またため息。「でもあたい公爵家の方の妹になれるような柄じゃないもん;」

「言ったでしょ? 公爵だった父上が亡くなって、僕じゃまだ若すぎるからって叔父上に屋敷も財産も爵位も奪われたって。

今は父上の3番目の母上の持家に仮住まいさせてもらっているだけの貧ぼっちゃんさ。」

 

「3番目の母上って弟のソニアのお母さんか?」

「ううん。 ソニアは父上の10番目の愛人の子だよ。

今まで父上が引き取ろうとしなくて苦労させちゃったけど、これからはずっと一緒だ」

「苦労したんだな・・あいつ」

あたいより2つ年下のおちびが頭に浮かぶ。

 

「うん。あの子の母親は高級娼婦でね、あの子を産んですぐ死んだんだ。

なのに父上はわが子と認めようとしなかった」

「じゃああいつどうしたんだ?」

「うん、弟のことを噂で聞いて僕の乳母の家で育ててもらった。

でもこれからは一緒に暮らせる」

「そっか」ホッとする。

 

「でもジ・・お兄ちゃん貧乏って言ってたけど、あたいにこんなにドレスを買って大丈夫?」

「ははは、買ったんじゃないから大丈夫だよ。

そのドレスはこの屋敷にもともとあったんだ。 3番目の母上には前夫との間に娘がいるからその子のじゃないかなあ」

「えっ、あたいがその人の服着てるの知ってるのか? お母さん」

「知らないんじゃない? 僕とソニアがここにいることも知らないよ」

「べべ!?」

 

「だって他に行くとこもなかったしさ^^」

「・・そのお母さん優しい人なのか?」

「う~ん、僕あんまりあったことがないんだよね、まだ父上と結婚して間もなかったし。

ふくよかな人だよ。その娘の、僕の義理の姉さんは、美人だったな。

でも僕妹の方が良かったんだよねえ」

 

(ど~ん||あたい、とんでもないお兄ちゃんが出来たみたい;)

 

「母上と姉上ももうすぐこの屋敷に戻るはずだよ。」

「えっ!」

 

「今は自分の持参金だけでも返してもらえないか叔父上と争っているけどさ。

そろそろね」

「お兄ちゃん・・、あんたその継母に追い出されるってことねえ?」

「まっさか~。行くところのない義理の息子を追い出したりしないよ^^」

(あんた、実の叔父に追い出されたんじゃ・・)

 

ろくに会ったことのない継母を信じてニコニコしているバカ坊ちゃん。

 

(あたいが守ってやる! もし追い出されたらあたいが働いて食わしてやる!)

小さなこぶしを握り締める。

 

 

(でも窮屈だな、豪華なお屋敷もドレスも)

窓から空を眺めていると、「ライシャお姉ちゃん!」「わっ!」

ニュッと覗き込む顔。

 

「ソニアか、びっくりした!」

「お姉ちゃん、窮屈でしょ? 僕と庭で遊ぼうよ!」

あたいの気持ちを見透かしたかのようにソニアが言う。

「遊びたいけど、ドレスが汚れるし・・」

「大丈夫! ほら、これ着なよ」

 

「あれ?この服」

「うん、ライシャ姉ちゃんの家行って持ってきたんだ」

「で、でもお父ちゃんに何にもされなかったか?」

酔っぱらって何度も殴られた記憶が蘇ってふるえる。

その時温かい手がそっとあたいの手を握り締めた。

 

「大丈夫だよ。 庭師のおじさんについてきてもらったし」

「そっか」

庭で働く山のように大きな姿が頭に浮かびホッとする。

「それにお父さん寝てたから黙って持ってきたんだ」

「そっか」

 

 

質素な服で生き生きと駆け回るライシャ。

「お姉ちゃん、花あげる」

「ありがと!」

 

窓から眺めるジーザライトは複雑そうな顔をしている。

「あーあ、ドレス姿、可愛かったのになあ。」

(でも・・)

はじけそうな笑顔が太陽の光の下、キラキラまぶしい。

(まあいいか、屋敷の中に閉じ込めているより幸せそうだ。兄は妹の幸せの為なら妥協するさ)

ため息をつく。

 

その時、ガラガラ、門の方で馬車の止まる音がした。

 

 

続く

 

 

永い恋の生まれた日

1月17日
1月17日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かわいいね~、ライシャお姉ちゃん!」
「うん、かわいいかわいい」
「でもこんなビラビラの服、メイドの仕事しにくいよお」
「君は僕の妹になってもらおうと思って、屋敷に引き取ったんだよ」
「えっ!!」
「こんなかわいい妹、ほしかったんだよねえ」
「僕は将来お嫁さんにしてあげるね」
「ええ!!」

昨日まで、呑んだくれの父親と、寒々とした小屋で暮らしていたライシャの運命が、大きく変わっていく。
それは永い恋のはじまりの日。

無邪気な初恋

雪の日の出会い